2025年12月2日(火)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン9 H-8)
2025年11月21日(金)公開 / 上映時間:103分 / 製作:2025年(日本) / 配給:松竹
【監督】 山田洋次
【キャスト】
 高野すみれ:倍賞千恵子 / 宇佐美浩二:木村拓哉 / 若き日のすみれ:蒼井優 /
 小川毅:迫田孝也 / 宇佐美薫:優香 / 宇佐美奈菜:中島瑠菜 / 高野信子:神野三鈴 /
 キム・ヨンギ:イ・ジュニョン / 裁判官:マキタスポーツ / 東:北山雅康 /
 小川勇:木村優来 / レストランの客:小林稔侍 / 阿部誠一郎:笹野高史 /
 佐田(声):明石家さんま / 圭子(声):大竹しのぶ
【あらすじ】
タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」という頼みを受けた宇佐美は、すみれの指示で各地へタクシーを走らせる。旅を共にするうち、次第に心を許したすみれから語られたのは、彼女の意外な過去だった。タクシーの運転手と客として偶然出会った2人の心、そして人生が大きく動き始める・・・
【感想】
木村拓哉の映画はほとんど観ないようにしているのですが、この作品は予告を観て感動的なストーリーかなと思って気になっていたので、ひとりで観てきました。我が家の女性陣は私以上に「キムタクの映画は観ない」という感じです。

木村拓哉は予想通り、宇佐美浩二ではなく木村拓哉であり、まったく役の人柄や人間性が伝わってきません。しゃべり方も含めて木村拓哉が運転手をしているとしか見えません。物語の中の人物に見えないと俳優としては難しいかなと思います。観客は年配の男女ばかりだなぁと客観的に見ていましたが、私も年代的には同じくらいかもと気付くと、あらためてこの映画を観る人の年齢層の高さを感じてしまいました。

ストーリーも思っていたよりは感動的ではありませんでした。泣きそうになったのは、すみれが浩二と薫の馴れ初めを聞いて、自分を卑下したりせずに、お互いが愛し愛されて結ばれたことを忘れてはいけないと諭すところくらいでした。すみれが回る思い出の地も、タクシーからの眺めと回想だけで、あまり心に響いてきませんでした。一時停止違反で停められた時に警察官をだますのは公共映画としては疑問でしたし、すみれの過去も、子どもが虐待を受けていたとしても、その報復のほうがひどすぎるし犯罪者になることが子供のためだったのかという思いを感じて、すみれの過去にまったく共感できませんでした。

宇佐美夫婦が高齢者施設を訪れて聞く悲しい結末も、いくら心臓病だったとしても唐突的な感じがして、ちょっと白けてしまう感じでした。そこでの浩二の感情や表情もあまり感情に訴えてくるものではありませんでした。また、すみれが浩二に残した手紙も、数日の間に手紙を書いて司法書士に渡していたというのも出来すぎのように感じます。内容もそれほどぐっとくるものではなくて、要は感謝の気持ちとお金を譲るというだけのもので意外さも感動もありません。お金を譲るのも、税金はどうなるのだろうなんてことを考えてしまいました。感動の物語をお金の話にしたら、なんかその感動がくすんでくるような気がします。「人生が大きく動き始める・・・」というのはそういうことだったのでしょうか。

私としては、すみれが亡くなることではなく、ふたりが心を通わせることにより、家族通しがつながっていき、一緒に暮らすくらいの話にしてほしかったと思います。原作(パリタクシー)のあるものなので、あまり大きな変化はできなかったのかもしれませんが、ちょっと残念な感じの映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。