| 2026年1月11日(日)鑑賞 U-NEXT |
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2018年6月30日(土)公開[PG12] / 上映時間:101分 / 製作:2017年(日本)
/ 配給:SPOTTED PRODUCTIONS
【監督】 枝優花
【キャスト】
小原ミユリ:保紫萌香(現在は穂志もえか) / 富田紬:モトーラ世理奈 /
篠崎昇:松澤匠 / 紬の父:松浦祐也 /
土山茜 / 秋葉美希 / 近藤笑菜 / 齋木ひかる / 里内伽奈 / 根矢涼香 / すぎやまたくや |
【あらすじ】
いじめられたことがきっかけで声が出なくなってしまった女子高生・ミユリ(保紫萌香)。そんなミユリの唯一の友達は一匹の蚕だった。ミユリは山の中で拾ったこの蚕を「ツムギ」と名付け大切に飼っていたが、いじめっ子の清水にその存在がバレて、蚕を捨てられてしまう。唯一の友達を失い絶望するミユリ。そんなある日、ミユリの学校に亡くなった蚕と同じ名前を持つ「富田紬」(モトーラ世理奈)という少女が転校してくる・・・ |
【感想】
NHK-BSで、私の好きなシリーズの第3弾「京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-」が始まっていますが、主人公の穂志もえかがとても素敵です。ドラマ「SHOGUN 将軍」での宇佐見藤役もとても良かったことを思い出しました。そこで、過去の主演映画「少女邂逅」を観てみることにしました。
この映画は、穂志もえかの魅力を楽しむ以前に、ミユリへの酷いイジメから始まり、ふたりの女子高生の奇異な関係、富田紬という女子高生の正体などが気になって物語に入り込んでしまいました。映像的にもどう判断していいのかわからないシーンが挿入されたりして、それは現実の世界のことなのかそうでないことなのかと目を離せませんでした。
ラストシーンが衝撃で、前述した気になっていたことが実はそういうことだったのかと一気に明確になります。とてもやるせなく何とも言えない終わり方です。
その悲劇は、ミユリが飼っていた蚕の名前と、転校してきた女子学生の名前が偶然にも同じだったことから始まったものです。ミユリは、おそらく紬はツムギの生まれ変わり、または人間としてミユリの前に現れたと思い込んでしまった。だからミユリの妄想や夢の中では紬は体から糸を出すおかしな存在。一方、紬は、父親から性的虐待を受けており、イジメの対象となっていたツムギと似ているものを感じて、ふたりでその狭い世界から逃れようとしているだけ。その大きなすれ違いが、ラストの大きな悲劇となります。沖縄に向かう時に乗換駅で、ミユリは紬に妄想を見て紬を置いて駅を去ったがために、急にいなくなった紬を追いかけてきた父親や警察に捕まって父親のところに戻されてしまう。たぶん、それが原因でツムギは餓死してしまう。
勝手に蚕と結びつけていたために紬のSOSを感じ取ることができず、駅に紬を放置して父親の元に戻してしまった、その後悔の涙で物語は終わります。後味の悪い、やるせない終わり方です。
この映画は何を描こうとしたのでしょう。女子高生の友情?イジメや性的虐待が与える悲劇?奇異な蚕と人間のホラー?どれもしっくりときません。ただ、今の現状が悲惨で苦しい状況であったとしても、それは狭い世界でのことであり、世界はもっと広いんだと考えれば、その苦しいことはたいしたことではなくなるのかもしれないという考え方は大切なことだと感じました。また、虫はすぐに死んでしまうから痛覚が無くて不必要なものという話が繰り返されますが、それは、痛みを感じる人間はすぐに死んではいけない、生きていくために痛みが必要なのだというメッセージが強く浮かび上がってきます。ミユリが紬を蚕のツムギではなく普通の女子高生として観ることができれば、紬の抱かえていることもミユリに伝わったかもしれません。そんなことを思うことが、この映画から得られることなのかもしれません。
穂志もえかを観るつもりだけだった映画でしたが、内容に打ちのめされた感じの映画でした。ちなみに「邂逅」は「かいこう」と読み、「思いがけなく会うこと。めぐりあい。」という意味だそうです。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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