2026年2月21日(土)鑑賞 Netflix
2026年2月10日(火)配信 / 上映時間:130分 / 製作:2026年(日本) / 配給:Netflix
【監督】 松本優作
【キャスト】
 アイ(ケンジ):望月春希 / 初恵:木村多江 / 和孝:千原せいじ / アキ:中村中 /
 タクヤ:吉村界人 / ミツ:末成映薫 / 裕子:MEGUMI / メグミ:真田怜臣 /
 ジェニファー:ゆしん / まるみ:枕芸者しと / アネット:椎名理火 / キョウコ:梛野すず /
 小百合:中里虎鉄 / 幸二:畑駿平 / アイ(小学生時代):山崎聖 / タクヤの母:山下容莉枝 /
 芸人:星田英利 / 番組プロデューサー:藤原紀香 / 芸能事務所社長:山村紅葉 /
 鶴久:中村獅童 / 和田耕治:斎藤工
【あらすじ】
はるな愛の実話をもとに、“本当の自分”のあり方を探し求めながら夢を追う主人公の葛藤と、その人生に大きな転機をもたらした医師との出会いを描いたドラマ。はるな愛の自伝「素晴らしき、この人生」と、医師・和田耕治についてのノンフィクション書籍「ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語」を参考に、当時の日本ではタブー視されていた性別適合手術の現実とふたりの強い信頼関係を、時代を彩るヒット曲と軽やかなダンスとともに映し出す。

幼い頃からアイドルを夢見ていたケンジ(望月春希)は、成長とともに“自分らしさ”と周囲の視線に悩むようになる。学校でいじめを受け、家族にも相談できずにいたケンジは、両親に内緒で働きはじめたショーパブで、華やかで個性的なメンバーたち(中村中、他)と知り合い、「アイ」という名前でステージデビューを果たす。そしてアイは、貴公子のようなダンサー・タクヤ(吉村界人)と恋に落ちる。一方、過去に患者を救えなかった苦悩を抱える医師・和田(斎藤工)は、アイの深い苦悩を知り、性別適合手術の世界に足を踏み入れることを決意する・・・
【感想】
話題になっているNetflix映画ということと、個人的にも興味あるテーマの映画でしたので観てみました。まず、主人公の望月春希がとても良かったというのが印象的な映画でした。容姿も踊りも複雑な心理状態の表現、すべてに素晴らしかったです。望月春希がいてこそ、この映画の本質がしっかりと表現されたと思います。この映画のテーマは人によって感じ方が異なるデリケートな問題なので、そこに違和感があると物語にしっかりと入り込めなくてうまく本質が伝わらないと思います。

世の中、自分の性別にまったく違和感を感じない人もいれば、この映画の主人公のように自分の性別に大きな違和感を感じている人もいます。そしてそれはどちらかという白黒の違和感だけではなく、その間の濃淡の中にいて一部に違和感を感じている人もいます。そして、そういう違和感の存在をまったく理解もできなくて認めることができない人もいます。

この映画を観て、興味本位で”変な人たち”ですますのではなく、こういう人たちは”変”ではなくて普通の人たちなのだということを思える人が少しでも増えてくれるといいなと思いました。少し前に観た「ブルーボーイ事件」という映画もそうでしたが、大勢の普通と思う考え方や異質に感じる思いを押し付けることの異常さに目を向けてほしいと思います。

この映画は、はるな愛の自伝がもとなので、世間の異質なものを見る目はそれほど厳しく鋭くは描かれていませんが、それでも、悲しい思いはとてもよく伝わってきます。とくにタクヤとの関係で、肉体も女性だったらもっとタクヤを喜ばせることができると考え、女性に嫉妬を感じてしまうという切ない気持ちはとてもわかるような気がします。

世の中には、いろいろな人がいます。体は男性(女性)でそれに違和感はないが恋愛対象は男性(女性)、体が男性(女性)であるということに違和感を感じて恋愛対象も男性(女性)、体は男性(女性)であることに違和感を感じるが恋愛対象は女性(男性)など。それ以外にも複雑に自分の性や恋愛対象に違いを持っている人がたくさんいます。それを感じながらも、世間の一般常識にあわせて生活している人がほとんどかもしれませんので、そういう事実にあまり気づかないこともあると思います。

タイトルの「This isi I」、「これが自分だ」と素直に表せることができる世の中であればいいなぁと思える、とても良い映画でした。繰り返しですが、そう思える映画になっているのは、主人公を演じた望月春希に負うところが大きいです。なのに、望月春希が良かったのは、望月春希もそういう人間だったのかというコメントがネットにあったのはとても残念なコメントでした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。