2025年11月9日(日)鑑賞 Netflix
2024年7月19日(金)公開 / 上映時間:95分 / 製作:2024年(日本) / 配給:TOHO NEXT
【監督】 久野遥子、山下敦弘
【キャスト】
 あんずちゃん:森山未來 / かりんちゃん:五藤希愛 / おしょーさん:鈴木慶一 /
 哲也:青木崇高 / 柚季:市川実和子 / 貧乏神:水澤紳吾 / ピーピーちゃん:大谷育江 /
 カエルちゃん:吉岡睦雄 / 閻魔大王:宇野祥平
【あらすじ】
ある豪雨の日、寺の和尚(鈴木慶一)が段ボール箱の中で鳴いている子猫を見つける。その猫は「あんず」と名付けられて大切に育てられるが、奇妙なことに20年が過ぎても死ぬことはなく、30年経った頃には人間の言葉を話して人間のように暮らす化け猫となっていた。現在37歳のあんずちゃんは、原付バイクに乗って移動し、マッサージ師のアルバイトをしている。ある日、親子ゲンカしたまま行方がわからなくなっていた住職の息子・哲也(青木崇高)が、11歳の娘かりん(五藤希愛)を連れて寺に帰ってくるのだが、お金のことで和尚とケンカをして出て行ってしまう。かりんの世話を頼まれたあんずちゃんは仕方なく面倒を見ることになるが、かりんが抱いている亡き母・柚季(市川実和子)への願いを知りある行動を起こす・・・
【感想】
昨年少し話題になって知っていた映画ですが、Netflixで配信されていて95分という気楽に観ることのできる映画でしたので、寝る前に観てみました。

ベタ塗りでマンガ的な絵が素朴なアニメです。動きは実写で撮影してそれをもとにアニメ化しているとのことですが、動きもアニメ的でぎこちなさも感じる絵作りです。主役のあんずちゃんは、ぶっきらぼうで口も悪く品もありませんが、ほんわかと包み込む優しさを感じます。あんずちゃんを振り回すかりんは、過酷な環境で暮らしていたにしては良い子ですが、不満の感情を隠さずに表情にあらわす、ちょっとひねくれたところのある子どもです。そのふたりの最初のぎこちない関係や会話が面白いですが、かりんが亡くなった母に会いたいと頼むところから、ふたりが力を合わせて母のいる地獄への旅が始まるという流れです。

なぜかりんの母が地獄にいたのかは説明されていませんので、まずそこからちょっと頭に疑問符が浮かびます。いろんな見解では、かりんの母は借金を苦に自殺したのではないかという説があるようですが定かではありません。また、現世に戻った母が閻魔大王に追いつめられて地獄に戻る際に、逃げた罰を受けることをほのめかされましたが、その結果も説明されていませんので、地獄に戻ったあと母は閻魔大王からどんな仕打ちを受けてしまったのか気になったままとなります。かりんの母を思う気持ちはわかりますがかりんの自分勝手な行動は軽率に感じます。そのあとに母が地獄でどうなったのか気にもしていないことも大いに気になります。結局、かりんは迎えにきた父との生活よりも、あんずちゃんとの生活を選ぶわけですが、地獄にいって閻魔大王から逃げる行動をともにしただけで、あんずちゃんへの思いがそこまで近づいたという説得力も乏しかったと思います。

アニメならではの妖怪とののんびりとした共存社会、苦難な生活環境で育ったかりんの亡き母への思い、そして心のつながりを深めていく化け猫あんずちゃんとかりんの友情、そんな素敵な要素が揃った映画でしたが、もう少し心にぐっと迫る描き方にしてほしかった(逆に言えはあまり心に迫って来なかった)というのが正直な感想でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。