| 2025年9月17日(水)鑑賞 シネマワールド中川(スクリーン10 F-3/4) |
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2025年8月8日(金)公開 / 上映時間:105分 / 製作:2025年(日本) / 配給:東宝
【監督】 橋本昌和
【キャスト】
野原しんのすけ:小林由美子 / 野原みさえ:ならはしみき / 野原ひろし:森川智之
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野原ひまわり:こおろぎさとみ / 風間くん&シロ:真柴摩利 / マサオくん:一龍齋貞友
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ネネちゃん:林玉緒 / ボーちゃん:佐藤智恵 / アリアーナ:瀬戸麻沙美 /
カビール:山寺宏一 / ディル:速水奨 / スゴイキューブ:日のり子 /
フラグタテルデー:宝亀克寿 / ラーテル:坂本千夏 / 園長先生:森田順平
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ウルフ:賀来賢人 / ウフンアハーン:小峠英二 / バイト君:西村瑞樹 |
【あらすじ】
インドのハガシミール州ムシバイが春日部と姉妹都市になったことを記念して、「カスカベキッズエンタメフェスティバル」が開催されることになった。そのダンス大会で優勝するとインドに招待され、さらに現地のステージで踊ることができると聞いたしんのすけたちカスカベ防衛隊の5人は力を合わせ、大会で見事に優勝し、インドへ出発する。インド観光を満喫する中、怪しげな雑貨店に入ったしんのすけとボーちゃんは、そこで「鼻の形」に似たリュックサックを見つけ購入する。しかし、そのリュックサックにはとても恐ろしい秘密があった。偶然にもリュックサックから出ていた「紙」を鼻にさしてしまったボーちゃんは、邪悪な力に導かれ「暴君(ボーくん)」となり大暴走!豹変してしまったボーちゃんは、世界を揺るがす脅威の力を手に入れてしまう・・・ |
【感想】
『映画クレヨンしんちゃん』シリーズ第32弾です。奥さんと末娘のコンサート参加の送迎の間に、長女とふたりで映画を観ようということになったのですが、コンサート会場近くのイオンシネマでは観たい作品と上映時刻が合うものがなかったので、そのイオンシネマの近くの中川コロナワールドに移動して、上映時刻が合って観たかったけど観に行けなかったこの映画を観ることにしました。8月初の公開の映画なので、すでに一日一回のみの上映となっており、観客も少ないかなと思っていたらかなりの観客。ほとんどは子ども会の団体さんだったようで、かなり賑やかな雰囲気での鑑賞となりました。
幼稚園児が春日部のダンス大会で優勝?とか、春日部での優勝でなぜインドに行けるの?とか、そういう部分の詳しい説明はあっという間に流れ、インドに到着したところから始まります。細かい部分はあまり気にせずに観るのがよさそうです。
そんな感じで始まっって、しばらくはエピローグ的ないくつものお話が並行して続くので少し退屈に感じますが、すぐにその話がつながってきて、登場人物のとぼけたおかしさにも慣れてきて面白くなっていきます。そして、いつものように終盤ではしっかりと心に訴えてくるものがあって、今回の作品も『「劇場版クレヨンしんちゃん」は泣けたり感動したりする』という期待を裏切らない内容でした。
この作品では、「自分らしさとは」「本当の自分とは」「友だちとは」、ということがテーマで、「ボー君」としんのすけたちの間でひとつの考え方を示してくれます。
特に、しんのすけが「たとえボーちゃんが変っちゃっても、僕たちはボーちゃんと遊びたい、変わってもずっと友だちでいるからね」とボー君となったボーちゃんに言うシーンはジーンときてしまいました。また、変ってしまったボーちゃんはボーちゃんではないというみんなに、アリアーナが「ボーちゃんらしいって何?ずっと優しくて、いつもいい子じゃないとダメなの?」と言われたあとの風間くんの「僕たちはボーちゃんの何を知っているんだろう」という言葉には、友だちのことはよく知っているという驕りみたいなものに気づかせてくれました。「この子はこういう子だ」という決めつけや思い込みは、その子を傷付けてしまうということもあり、これは友だちだけではなく子どもに対しても大切なことだと思いました。
ウフンアハーンが友だちのいないウルフに最後に言う「別にひとりだっていいじゃない。人と比べず、人に優しく、もっとおバカになって自分が好きなことを楽しもうよ」という言葉も強く心に沁みましたし、それを聞いた園長先生の「相棒や友だちは作ろうとして作れるものではないんでしょうか」という言葉も、うまく友だち関係を保てない自分にはとても優しい言葉でした。また、ネネちゃんの「人の気持は思い通りにならない」、「友だちだから教えてあげる。人の気持ちは変えられないんだよ」という言葉も、最近の自分に起きた出来事を振り返って、反省すべき気づきももらえました。
そういう真面目なテーマではありますが、基本的には笑いっぱなし。警察官の二人のやり取り、チャパティの知名度低さへの反抗、セスナ機での脱出シーンの「DANGER
ZOON」、マサオ君とシロの関係などが笑えました。一番の私の笑いどころは、マサオ君が、ボーちゃんの鼻から取れた紙を目の前にして、善と悪の葛藤をするシーンでした。このシーンは、しんちゃんたちとボー君となったボーちゃんとの感動的なやりとりのあとだったので、その落差も最高でした。
毎回、毎回、幼稚園児に大切なことを教えられるこの映画はなんなんでしょうね。ま、本当の幼稚園児が作っているのではないので当たり前なのですが、おとながハッと気づかされる大切な共感できることを示してくれるから、しんのすけたちの楽しそうな日常が生き生きとしてくるのかなと思います。
この映画に関しては、まわりで子どもたちが騒いでいても、笑っていても、まったく気にならない空気感があります。長女と一緒に「今回のしんちゃんも良かったね」と言いながら映画館を後にしました。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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