2026年7月15日(水)開始 2026年7月29日(水)読了 (3日 4時間8分)
作品情報
タイトル 希望病棟
著者 垣谷美雨
シリーズ 「病棟」シリーズ
初刊出版社 小学館
レーベル 小学館文庫
発売日 2020年11月6日
初刊発行日 2020年11月11日
書籍情報
出版社 小学館
レーベル 小学館文庫 か-46-2
判型/ページ数 文庫判/352ページ
発売日 2020年11月6日
初版発行日 2020年11月11日
版数 第10刷
発行日 2025年12月21日
定価(本体) 690円
購入日 2026年
【あらすじ】
神田川病院に赴任したばかりの女医・黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、摩周湖が病院の中庭で拾った聴診器を使ってみると、患者たちの“心の声”が聞こえてきた・・・
母親に捨てられ、児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。
代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。
摩周湖の勧めで治験を受けた桜子と貴子は快方に向かい、自分の人生を生き直すことになる。大学に進学するお金がなく進路に悩む桜子、選挙にしか関心のない夫と姑を嫌悪する貴子。孤独と生きづらさを抱えてきた二人は、どのような道を歩み始めるのか・・・
【感想】
前作の「後悔病棟」がとても良かったので、シリーズ第2弾の「希望病棟」も気になって読んでみました。

「後悔病棟」は、心の中を見ることができる聴診器の中の世界で、もう一度後悔していた人生をやり直してみるということで、そこでいろんな気づいて救われて人生を終わるという感動的なところが好きだったのですが、この「希望病棟」は、その流れで思っていた内容とは違っていました。

摩周湖は聴診器で心の中を覗くのですが、それは摩周湖が末期癌患者の桜子と貴子の思いを知るというだけにとどまり、命は治験によって救われ、それによって得た将来に希望を持っていくことになるのですが、そこに摩周湖も聴診器もあまり関りがありません。関わる部分と言えば、捨てられた桜子と、子供を捨てたことのある貴子が親子ではないかと勝手に思って、DNA検査でそれを調べるきっかけを作ったくらいです。

桜子と貴子の今後の生き方も、なんかスッキリしません。奨学金の問題や貧困者の問題を取り上げているのはわかるのですが、それを女性だけの問題にして、その解決策が健全な風俗業だというのはちょっと納得ができません。桜子も貴子も、孤児であったり選挙道具としての嫁であったり、そんな境遇の苦しさは理解できるのに、行動や考え方に共感は持てないのです。

黒田摩周湖というキャラクターと聴診器の力によって、患者が将来への希望や新しい人生を取り戻すという部分をもう少し取り入れてほしかったと思います。私にとっては、ちょっと期待外れの作品でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。