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プロローグ
1990年7月8日(日)
北海道・阿寒 |
鹿谷門実、江南孝明、鮎田冬馬の三人は北海道・阿寒にある館の前にいた・・・ |
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第1章 |
鮎田冬馬の手記
その1 |
この手記は、鮎田冬馬自身のための手記である。ここに記すのは、今から1ヶ月前の1989年8月1日から4日にかけて、「黒猫館」と呼ばれる屋敷で起きた事件の記録である。
8月1日(火)、黒猫館に4人の大学生の客が訪れた。「黒猫館」の持ち主の息子・風間裕己、その従兄・氷川隼人、裕己の友人・木之内晋と麻生謙二郎である。 |
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第2章 |
1990年6月
東京 |
1990年6月25日(月)、稀譚社に勤める江南孝明は、1年前の「時計館」での大量殺人事件に巻き込まれた影響で、文芸書の編集部に移っていた。そこに、担当となっていた鹿谷門実宛ての封筒を見つけた。差出人は鮎田冬馬という人物で、記憶喪失になって自分が誰かわからないので「迷路館の殺人」を書いた鹿谷に調べてほしいという依頼だった。その手がかりは、鮎田自身が書いたと思われる手記だった・・・ |
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第3章 |
鮎田冬馬の手記
その2 |
8月2日(水)、前夜遅くまで飲んでいた若者は朝が遅かった。正午すぎ、風間と木之内は、鮎田に車を借りてドライブに出かけ、「黒猫館」の前の持ち主・天羽辰也に興味を持っていた氷川は、天羽の蔵書が保管されている大広間を見学することにした。午後7時を過ぎ、風間と木之内は、椿レナという娘を連れて館に戻ってきた。その夜、鮎田は、屋根裏から大広間で繰り広げられていた痴態を見てしまう・・・ |
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第4章 |
1990年6月
東京〜横浜 |
6月28日(木)の夜、鹿谷と江南は、鮎田の手記を読み終えていた。書かれていた内容が真実なのか、黒猫館はどこにあるのか、まずそれを確認しようとふたりは、黒猫館を建てた中村青司の恩師・神代教授を訪ねた。そこで神代は天羽の友人であることが判明する。そして、黒猫館にも一度だけ招かれたことがあるという・・・ |
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第5章 |
鮎田冬馬の手記
その3 |
8月3日(木)の朝、不快な気分で目を覚ました鮎田は、サロンの掃除を終えた後、昨夜若者たちが痴態を繰り広げていた大広間の扉が開かないことに気づく。正午を過ぎても誰も出てこなかったので、彼らの部屋を調べていた時に、大広間から叫び声が聞こえてきた。大広間の扉を開けさせると、そこにはレナの死体があった。誰かがレナの首を絞めたらしいが、酒とドラッグのせいで誰もよく覚えていないという。この事件を隠すことで話がまとまり、死体は地下室に置くことにしたが、その地下室には古い白骨死体があった・・・ |
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第6章 |
1990年7月
札幌〜釧路 |
7月5日(木)、手記に書かれていた昨年「黒猫館」で起きた殺人事件の謎を追って、鹿谷と江南は北海道に向かった。「黒猫館」に泊まった若者の消息は、風間は事故死、氷川は居所不明、木之内と麻生は大学もわからず調べる手立てがなかった。天羽については、神代教授からの追加情報で、天羽は自分のことを「鏡の世界の住人だ」と言っていたという。翌7月6日、ふたりは天羽が20年前に助教授をしていた大学を訪れる。そこで、天羽を知る橘てる子教授から天羽の当時の話を聞く。天羽が「鏡の中の住人」と言った意味は、天羽は全内蔵逆位症だったということだった。7月7日釧路に向かい、そこで鮎田と合流し、翌7月8日の朝、三人は「黒猫館」のある阿寒に向かった・・・ |
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第7章 |
鮎田冬馬の手記
その4 |
8月4日(金)の朝、麻生だけがサロンに顔を見せなかった。部屋ではシャワーの音がしていたという。不審に感じて浴室の扉を力づくで開けた中では、首を吊った麻生の姿があった。部屋のテーブルには「昨日の夜、あの女を殺したのは僕でした」と書かれた便箋があった。密室だったこととこの遺書らしきもので、自殺としか考えられない状況だった。『椿レナはこの屋敷にやってこなかった。麻生は個人的な悩みが原因で自殺した』、そういうことにしておけば良い、それが一番良いのである・・・ |
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第8章 |
1990年7月
阿寒 |
建物の中に入った鹿谷と江南は、手記に書かれたこととの矛盾に徐々に気づいていく。鮎田も館内を見ていく中で表情や態度に変化が現れていた。そして、この阿寒の館は「黒猫館」ではなく、事件が起きた「黒猫館」は思いがけないところにあるということと、鮎田の正体が明かされる・・・ |
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エピローグ
失われた手記 |
鮎田の書いた二冊目の手記。ホテルの火災で燃えてしまったそのノートには、レナの死因と、麻生が死んだ密室事件の真相が書かれていた・・・ |