2025年3月10日(月)開始 2025年3月11日(火)読了 |
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作品情報
タイトル |
どうせそろそろ死ぬんだし |
著者 |
香坂鮪 |
シリーズ |
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初刊出版社 |
宝島社 |
レーベル |
宝島社文庫 |
初刊発行日 |
2025年3月19日 |
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書籍情報
出版社 |
宝島社 |
レーベル |
宝島社文庫 こし-24-1 |
判型/ページ数 |
文庫判/352ページ |
初版発行日 |
2025年3月19日 |
版数 |
第1刷 |
発行日 |
2025年3月19日 |
定価(本体) |
727円 |
購入日 |
2025年3月5日 |
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2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作ということと、「余命宣告された人々が集まる山荘で起きた」という文字で興味を持って買ってきた小説です。発売直後で、書店に山積みされていました。
探偵業を営む七隈昴は、余命宣告された人々が集う交流会「かげろうの会」のゲストとして、助手の薬院律と共に山奥にある「かげろう会」代表・茶山恭一の別荘に招かれた。参加者は、次郎丸誠、六本松唐人、賀茂慶太、橋本ひな子、南春奈、そして、茶山の孫でシェフ担当の先崎桜子。二人は交流会の参加者と食事をし、親交を深める。しかし翌朝、賀茂が不審な死を遂げる。七隈と律は、自然死(病死)なのか殺人なのかを調査し始める。そんな中、三日目の朝に探偵の七隈も不審な死を遂げる。やがて明かされる驚愕の真相は・・・というストーリーです。
思ったよりも私にとっては読みにくい小説でした。文章が私には合っていないのかなと思いました。例えば、最初は七隈の視点で書かれているのですが、客観的な説明文章のようで、七隈になりきれなくて何度もこれは七隈視点の文章なのだと意識する必要がありました。しかも、七隈がいなくなった後も同じ文体なので、誰視点の文章かよりかわらなくなってしまいます。洗練された文章には感じなくて、読んでいて疲れを感じました。しかも、七隈に対して途中で読者に対しての大きな騙され感を感じる真実がわかり、その騙しは本当に必要なのかと少し嫌な感じがしました。
結末は意外性もあり、そういうことだったのかという驚きもあって構想は悪くはないのですが、読者を騙そうとか裏をかこうとか、そういう作者の意識が露骨というか現実味がないというか、そんな感じをうけてしまいました。また、余命宣告された人々をこういう形で題材に使ったり、「どうせそろそろ死ぬんだし」というタイトルも、あまり好感持てませんでした。帯には『驚愕の「館」ミステリー』と書かれていますが、特に「館」に関するトリックはありませんでしたし、「洗練された仕掛けを評価したい」とも書いてありますが、その洗練された仕掛けって何?という感じでした。ラストシーンも、春奈が最後に何をしようとするのか思わせぶりの言葉で終わりますが、それも頭の中は「????」が飛び交う終わり方でした。どうせ死ぬから犯人を殺すの?どうせ死ぬから全員を殺すの?それはなぜ?まったく理解できませんでした。
この作品は、作者が楽しんで書いたという自己満足的な感じだけで、ミステリー作品としては私にとっては期待外れの作品でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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