2025年3月5日(水)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン2 H-10)
2025年2月28日(金)公開 / 上映時間:121分 / 製作:2025年(日本) / 配給:ギャガ
【監督】 三木孝浩
【キャスト】
 神林リク:中島健人 / 前園ミナミ:milet / 梶原恵介:桐谷健太 / 金子ルミ:中村ゆりか /
 春日研一:八嶋智人 / 小松みのり:円井わん / カナ:坂ノ上茜 / 大学教授:小手伸也 /
 野々村:野間口徹 / 田所哲斗:眞島秀和 /
 前園和江:風吹ジュン
【あらすじ】
大学時代に出会ったリク(中島健人)とミナミ(milet)は、結婚して8年を迎える。リクは夢を実現しベストセラー作家となり、ミナミはリクを支えて歌手になる夢を諦めていた。ある日、リクとミナミは些細な言い争いとしてしまう。リクが翌朝目覚めると、ミナミの姿はなく、リクは文芸誌の編集部員、ミナミは天才シンガーソングライターとして活躍、というふたりが出会わなかった世界に投げ込まれた。リクは戸惑いながらも現実を受け止め、親友の恵介(桐谷健太)の協力を得てミナミに近づいて何が原因でこうなったのかを考えていく・・・
【感想】
パラレルワールドを扱っているということで興味を持ったので観てきました。本作は、2019年に製作されて2021年に日本で公開されたフランス映画「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」を、現代日本を舞台にしてリメイクしたファンタジック・ラブストーリーということだそうです。

思っていた以上に素敵な良い映画でした。まず、中島健人とmiletがとても良かったです。一目ぼれしあって付き合い始めたふたり、結婚8年目ですれ違いが目立ってきたふたり、作家のリクと編集部員のリク、主婦のmiletとシンガーソングライターのmilet、いろんな場面での中島健人とmiletの演じ別けがとてもうまくて、自然に物語に引き込まれていきます。

一番心打たれて泣けてしまったのは、喫茶店で編集部員のリクがシンガーソングライターのミナミに「実はふたりは結婚していた」と話をするシーン。ミナミが「ふたりが学生時代に出会って一目ぼれして結婚し、リクは売れる作家になり、私は歌手になり、子供もできて仕事に追われながらいつの間にかふたりで年老いていく、そんな人生がいい」と話すところは、リクの後悔やミナミの本心が伝わってきて泣けてしかたがありませんでした。ふたりの優しさがとても良く伝わってきたシーンでした。

また、リクが恵介の家で恵介の妻が亡くなっていたことを知った時に、恵介が妻のこと、その時にリクに助けられたこと、今の恵介のいる世界の良さを話すシーンは、友人の絆の強さとお互いを思う優しさで、ここでも涙腺崩壊でした。

認知症のミナミの祖母・和江(風吹ジュン)が、ときおりリクのことを知っていてアドバイスをするような言動をするシーンも、リクとミナミのことをいい形に誘導していく天使のようで、和江も過去にパラレルワールドを経験しているのではと思わせる秘密めいたところを感じさせてくれるのがとても素敵でした。

パラレルワールドの話は、細かくつきつめると矛盾や話がつながらないところが気になったりすることがありますが、この映画ではそういうことはどうでも良いことだと思わせてくれる優しさや思いやりにあふれていました。相手に対する思いやりや、何を大切にすべきなのかということなどを、リクのやり直しのパラレルワールドを通していろいろと考えさせられましたし大切なことを教えてくれました。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。