2025年1月24日(金)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン7 G-9)
2025年1月17日(金)公開 / 上映時間:107分 / 製作:2024年(日本) / 配給:ラビットハウス
【監督】 作道雄
【キャスト】
 森下昴:坂東龍汰 / 柏原美紀:西野七瀬 / 吉田翠:円井わん / 牧田兼:小久保寿人 /
 木下隆司:森優作 / 柏原さおり:秋本奈緒美 / 牛丸清太郎:津田寛治 / 池内武彦:岡田義徳 /
 澤田義男:風間杜夫 / 森下洋子:南果歩
【あらすじ】
結婚間近の昴(坂東龍汰)と美紀(西野七瀬)でしたが、ある日突然美紀が交通事故(バスの事故?)で死んでしまいます。昴は苦しみと悲しみをどう処理していいのかわからないまま茫然自失の状態で暮らしていました。ある日、不慮の事故で夫を亡くした昴の母・洋子(南果歩)から帰省を促されて、故郷の岐阜に戻ります。そこでグリーンケアを通して、美紀の死を受け入れ始めていく・・・
【感想】
この映画は、大切な人を失った悲しみをどう処理するかという、私にはとても興味深い内容なのですが、1月17日に公開されたばかりにもかかわらず1月30日には終了と告知の出ていて、公開後から一日1回しか上映されていない寂しい扱いの映画です。ネットのクチコミでは「思っていた内容と違う」「これはオカルト、ホラーだ」という声も多くて、評価が別れています。そういう映画こそ、自分で観てどう感じるか興味がありましたので、今日、ひとりで観てきました。

私は、この映画のどこがオカルトでホラーなのか、そんなことはまったく感じませんでした。大切な人を失った人は、悲しみや後悔が強いほど、人には理解できない言動や行動を生み出してしまうのだと切なくなりました。亡くなった妻が見えるのも、悲しみから目をそらすためにその人が生み出したもので、私はそれが、オカルトやホラーなどとはまったく思えませんでした。大切な人を突然不慮の事故や事件で亡くした人に対して、人は「早く忘れて前向きに」とか「いつまでも忘れないように」とか言いますが、当事者は、忘れてしまうことなどできないし、かといっていつまでもすべて忘れずに覚えていることもできません。無理に忘れる必要もないし、無理に覚えている必要もないし、何かあった時にふと思い出せばいいというくらいに思えるようになることが、大切な人の忘れ方なのだと教えてくれたように思います。

涙が溢れるというような泣かせ方ではありませんが、亡くしてしまった大切な人を思うそれぞれの心情がとても心に迫ってくる映画でした。コチコミに惑わされて観るのをやめなくて良かったと思いました。私にとってはいい映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。