2025年1月24日(金)鑑賞 Prime Video |
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2024年8月30日(金)公開 / 上映時間:105分 / 製作:2024年(日本) / 配給:東京テアトル
【監督】 森ガキ侑大
【キャスト】
初瀬桃子:江口のりこ / 初瀬真守:小泉孝太郎 / 三宅奈央:馬場ふみか /
リー:水間ロン /
浅尾:青木柚 / 鰐淵:斉藤陽一郎 / 梅沢昌代 / 西本竜樹 / 堀井新太 / 岩瀬亮
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初瀬照子:風吹ジュン |
【あらすじ】 桃子(江口のりこ)は、夫・真守(小泉孝太郎)の実家の離れで夫と二人で暮らしています。実家には義母(風吹ジュン)がひとりで住んでいて、ゴミ出しや食事などに気を使いながら暮らしています。真守はリフォームしたい桃子の話も聞かず、何をしてもらっても「ありがとう」も言わず、桃子には無関心。桃子は石鹸教室の講師やお気に入りの食器や手の込んだ献立など丁寧な暮らしで精神を保っていましたが、時折、猫を捜したり、SNSに見入ったり、異常な言動や行動もあって・・・。そんな時に、真守から離婚したいと言われて完全に日常が壊れていく・・・ |
【感想】
公開された時に気になっていた映画です。Prime Videoで無料配信されていましたので、やっと観ることができました。この映画が、今回買ったテレビREGZA(40V35N)で観る初めての映画となります。原作は吉田修一の小説です。
なかなか味わい深い映画でした。この映画の最大の魅力は、江口のりこに尽きます。一生懸命に夫のためや義母のために尽くすのだけど、自分に入り込みすぎてまわりから浮いてしまう、変人と思われる。そのために、夫からも社会からも徐々に存在場所を失っていく。そんな複雑な心情の桃子をとても魅力的に演じています。奈央のアパートを訪れ帰る時に、妊婦の身体の心配して引き返すなど、桃子は繊細で優しい女性なのだと思います。日々「ありがとう」も言ってくれない、話をまったく聞いてきれない、そんな夫に爆発もせずによく耐えていたと思います。
そんな桃子に不満を抱き、他の女性の元に逃げる真守の気持もわからないではありません。きちんと桃子に謝罪して話をしようという姿勢もあります。もともと先妻のいた真守と不倫して妊娠して妻の座についた桃子であるので、因果応報という感じもします。
チェーンソーで切り開いた床下にあったものは小さな子供の服とか(どうしてそこに埋まっていたのかは説明されていません)、ずっと見ていた妊婦のSNSが実は自分のSNSだったとか、そうだったのかと思わせてくれる意外性もよかったです。避けていたリーに最後に「ありがとう」と言われて泣き崩れる桃子が最後に救われたのではないかと思われるラストもちょっと感動的でした。
それぞれのエゴの愛と献身、その暴走は暴力なのか。そんなことを感じさせてくれる映画でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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