2024年12月25日(水)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン5 D-8)
2024年11月29日(金)公開[PG12] / 上映時間:120分 / 製作:2024年(日本) / 配給:松竹
【監督】 藤井道人
【キャスト】
 鏑木慶一:横浜流星 / 安藤沙耶香:吉岡里帆 / 野々村和也:森本慎太郎 / 酒井舞:山田杏奈 /
 井澄正平:前田公輝 / 黒島:田島亮 / 宮村勇太:遠藤雄弥 / 小田花梨:宮崎優 /
 四方田雄一:森田甘路 / 笹原浩子:西田尚美 / 足利清人:山中崇 / 後藤鉄平:宇野祥平 /
 金子健介:駿河太郎 / 野口正恵:木野花 / 安藤淳二:田中哲司 / 井尾由子:原日出子 /
 川田誠一:松重豊 / 又貫征吾:山田孝之
【あらすじ】
18歳の時に殺人事件の容疑者として逮捕された鏑木慶一(横浜流星)は、刑務所で自分を傷つけ病院へ送られる途中に脱走し、、容姿と名前を変えある目的のために日本各地に潜伏します。間一髪の逃走を図る鏑木を追う刑事・又貫征吾(山田孝之)は、逃走先で鏑木とかかわった安藤沙耶香(吉岡里帆)、野々村和也(森本慎太郎)、酒井舞(山田杏奈)を取り調べますが、そこでの鏑木は別人のような人物像で、又貫は自分の判断に疑問を持ち始めつつも鏑木を追う・・・
【感想】
気になっていた映画でどうしても観たいと思っていた映画です。奥さんも興味を持っていて一緒に観に行く予定でしたが、奥さんの体調の関係で私ひとりで観に行ってきました。

この映画は、思っていた通りとてもいい映画でした。全体に流れるテーマは冤罪で、警察の都合や手抜きによって冤罪はいとも簡単に生み出されてしまうということに、恐ろしさを感じてしまいます。一度警察に捕まって起訴されれば簡単に有罪にされてしまうのが日本の実状なのかもしれません。逃亡者・鏑木を演じる横浜流星がとても良かったです。逃亡中のため雰囲気を変えて隠れるように暮らす中でも、真っ正直に生きて優しさや思いやりを忘れない、そんな強い意志を持っている。生れて初めてのお酒や焼き鳥の美味しさに感動し、自分を信じてくれるという人の心に素直に喜ぶ。しかし逃亡中の冤罪死刑囚ということで絶望感も感じさせる。そんな複雑な人物像を見事に表現していました。その鏑木を信じてその気持ちに正直に動く沙耶香や和也も魅力的でした。吉岡里帆が好きな俳優さんであるということもあったかもしれません。また、鏑木を追う刑事・又貫のこれでいいのかと自問するような苦悩もにじみ出ており、上司の指示に反して冤罪の可能性と再捜査の実施を記者会見で話す姿はカッコ良かったです。

終盤の刑務所に戻された鏑木と、面会に来た又貫、沙耶香、和也、舞とのそれぞれの会話が素敵でした。それぞれの優しさに涙が流れっぱなしでした。人を信じること、人に信じてもらうこと、そんな関係を築ける優しさや思いやり、その大切さをあらためて強く感じた映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。