2024年12月2日(月)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン10 H-7/8、スクリーン1 I-8/9) |
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2024年10月11日(金)公開 / 上映時間:115分 / 製作:2024年(日本) / 配給:東宝 2024年11月15日(金)公開 / 上映時間:115分 / 製作:2024年(日本) / 配給:東宝
【監督】 本広克行
【キャスト】
室井慎次:柳葉敏郎 / 日向杏:福本莉子 / 森貴仁:齋藤潤 / 柳町凛久:前山くうが
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柳町凛久:前山こうが / 桜章太郎:松下洸平 / 乃木真守:矢本悠馬 / 奈良育美:生駒里奈
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大川紗耶香:丹生明里 / 端野則次:松本岳 / 森麻絵:佐々木希 / 新城賢太郎:筧利夫
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緒方薫:甲本雅裕 / 森下孝治:遠山俊也 / 仁狩英明:西村直人 / 明石幸男:赤ペン瀧川
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坂村正之:升毅 / 沖田仁美:真矢ミキ / 石津紀子:飯島直子 / 石津百男:小沢仁志
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長部音松:木場勝己 / 柳町明楽:加藤浩次 / 松木敬子:稲森いずみ / 市毛きぬ:いしだあゆみ
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国見昇:マギー / 日向真奈美:小泉今日子 / 青島俊作:織田裕二 |
【あらすじ】 警察を早期退職した室井は、事件の影響を受けた子供たちを引き取り、東北に移り住んでいた。周囲から冷たい言葉をかけられるも、彼は子供たちを守りながらひっそりと暮らしていた。しかし、特殊詐欺と強盗事件の犯人の遺体が山奥から発見され、村は混乱に陥る。そして、発見された遺体とレインボーブリッジの事件との関連性が明らかとなる。復職を求められる室井は、かつての仲間との約束を果たせないかと思案する。捜査が進展していく中、室井が引き取ったそれぞれの子供たちは成長していくが・・・ |
【感想】
この映画を公開前から観ようと思って、過去の「踊る大捜査線」シリーズの映画を公開順に観たりしていたのですが、新しい作品になるほど面白さを感じなくなったし、「容疑者 室井慎次」は雰囲気が異なって面白くなかったし、口コミもあまり芳しくなかったので、今回の映画を観る意欲がだんだんと低くなってしまっていました。しかし、「敗れざる者」(前編)と「生き続ける者」(後編)が15分の合間で連続で観ることのできる上映時間があり、観てがっかりするならそれでもいいと思って、長女を誘って観てきました。
青島との約束を果たせなかったことから、警察を早期退職し東北の地で里親として、事件により身寄りがなくなった子供を育てている室井の物語です。室井の家の近くで遺体が発見されるという事件が起き、その事件がレインボーブリッジの事件の犯人と関係があるということが並行して描かれますが、これはこの映画のメインではなく、室井の事件の被害者や犯罪者の家族への思いを際立たせるための伏線でしかありません。つまり、この映画は、今までの「踊る大捜査線」シリーズの映画のような犯罪サスペンスではなく、心に訴えるヒューマンドラマでした。いい意味で期待を裏切られて、私としては泣けて親と子の関係はどうあるべきかということを考えさせてくれる映画でした。「踊る大捜査線」シリーズの続編として観に来た人はたぶん退屈でがっかりすると思います。この映画は、ところどころ「踊る大捜査線」ファンを楽しませる演出はあるものの、「踊る大捜査線」シリーズとはまったく別物であり、「踊る大捜査線」シリーズを楽しむ客層とは異なる映画だと思いました。
青島との約束を果たせず挫折した室井が、自分にできることは何かを考えて事件により傷つき孤独になった子供の里親になり、どうすればそんな子供たちを癒やせ、独り立ちさせられるかを悩みながら親となっていく姿と、家族を奪った犯人や犯罪を犯した親とのかかわりに悩む子供たちの姿を描いているのが、この映画のテーマです。前編、後編ともに、そこがとても繊細に詳しく丁寧に描かれています。何があっても子供に寄り添い、子供を信じて静かに見守る室井の姿は感動ですらあります。実際の子供の親としては、参考になるところが多かったですし、反省することも多かったです。悪いことをしても、本人が気づくまで根気よく待つだとか、怒らないとか、子供は(特に女の子)は親に優しくしてほしいと思っているとか、親の正しいと思うことは子供にとって正しいとは限らないとか、不登校でも何も言わないとか、随所に子供の育て方ではっとさせられるシーンがありました。子供たちや犬の演技も、室井の存在感に負けずにとても心情が伝わってきて、とても良かったです。室井が里親だからこそと思わせてくれるいい子たちでした。実際はそんなに簡単なことではないでしょうけど、この映画は子供たちをそう描くことで、室井の優しさや正しさを引き立てていたと思います。こうあればいいなぁという理想だと思います。
前編後編合わせて230分の映画ですが、私は通しで観てもまったく退屈せずに、室井と子供たち、周辺の人々の関係と会話にハマってしまいました。忘れてしまった台詞もありますので、配信されたらじっくりと見直してみたいと思います。娘も、この映画で泣くとは思わなかったと言っていましたし、私も同じことを思った予想外の良い映画でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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