2024年10月4日(金)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン5 G-8/9) |
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2024年09月27日(金)公開 / 上映時間:119分 / 製作:2024年(日本) / 配給:アスミック・エース
【監督】 萩原健太郎
【キャスト】
西澤架:藤ヶ谷太輔 / 坂庭真実:奈緒 / 高橋耕太郎:倉悠貴 / 美奈子:桜庭ななみ
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岩間希実:菊池亜希子 / 坂庭正治:阿南健治 / 坂庭陽子:宮崎美子 / よしの:西田尚美
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小野里:前田美波里 |
長女がまだ小説を読んでいなかったので、読むまで待とうと思っていたのですが、長女も忙しくて読む時間がとれないことがわかってきたのと、公開1週間にして1日3回の上映となってしまい、しかも時刻も9時、12時、21時と午後の見やすい時刻の上映が無くなった状況を見て、早めに観ておくことにして21時からの上映を観てきました。「スオミ」がまだ1日4回上映していますが、「スオミ」を1日4回上映するくらいならば、「傲慢と善良」の上映回数を増やした方が映画の質的には良いように個人的には思います。
マッチングアプリで出会った西澤架(藤ヶ谷太輔)と坂庭真実(奈緒)。しかし、真実は架がなかなか結婚に進まないことに不安を感じて、架が結婚に進むようにある嘘をついてしまいます。それを架の女友達に見透かされたことと、架の真実に対する評価を聞いて、真実は架の前から姿を消します。架は、真実を捜す過程で今までの真実の過去や生き方を知ることにより、自分が真実をしっかりと見つめていなかったことを知っていく・・・というストーリーです。
小説の良さをとてもうまく映像化された映画でした。マッチングアプリでの出会い、真実が嘘をついて失踪する心理状態、真実を捜す過程で架が真実のことを知っていく変化、最後に真実と架が再開しお互いの気持ちを言う感動的なシーン、すべてわかりやすく小説で感じた面白さや感動が、目の前に映像で再現されていました。小説とは少し設定が変えてありましたが、真実がよしの(西田尚美)から「恋愛しているんだね。最近の若い人は自分が恋愛していることに気づいていないの?」と言われるシーンは、小説でも泣いてしまったシーンで、このあたりから真実が架に気持をぶつけるシーンまで、私はもう涙をこらえるのに必死でした。
小説では、「傲慢と善良」という意味が、いろんな登場人物の行動に対する読み手の価値観に委ねられているような気がしましたが、映画では、「傲慢と善良」が架と真実の婚活の中での意味合いが強くなっており、説明的な台詞も多かったような気がします。そこは「傲慢と善良」というタイトルが少し薄っぺらくなって、その奥深さが薄まったような気はしますが、そこは長編小説での織り込み方と、映画での織り込み方の違いとして仕方がないのかなという気はしました。
藤ヶ谷太輔は個性が強すぎるかなというのが不安でしたが、そんなことはまったくなく、とても自然に的確に架という人物を演じていて、違和感なくストーリーに入り込みことができました。
小説を読んでいた私は、小説の良さがうまく映像化されていてとても面白くて感動しましたし、小説を読むのを後にした長女も、婚活で相手に求めるもの、「善良」っぽく友人を装う「傲慢」な女友だち、そんな視点でも真実に共感する部分があって、とても面白かったと言っていました。あたたかなラブストーリーや、いろいろと生き方や人との関係を考えさせられたりとても良い映画でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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