2024年10月3日(木)鑑賞 イオンシネマ長久手(スクリーン3 L-3/4/5)
2024年09月27日(金)公開 / 上映時間:123分 / 製作:2024年(日本) / 配給:日活=東京テアトル
【監督】 黒沢清
【キャスト】
 吉井良介:菅田将暉 / 藤田秋子:古川琴音 / 佐野たけし:奥平大兼 / 三宅達也:岡山天音 /
 滝本一郎:荒川良々 / 村岡耕太:窪田正孝 / 殿山宗一:赤堀雅秋 / 矢部:吉岡睦雄 /
 井上:三河悠冴 / 殿山千鶴:山田真歩 / 北条:矢柴俊博 / 室田:森下能幸 / 猟師:千葉哲也 /
 売人:松重豊
奥さんも観たいというので、私と奥さんと長女と三人で観てきました。この作品は、いつも行っている映画館では上映していなかったので、少し遠い同じイオンシネマの映画館で観てきました。この映画館は、予約システムがいつも行く映画館と違っていて、チケットもデジタルチケットになっていました。少し前までは同じシステムだったのですが、今後イオンシネマはこの映画館の新しいシステムに統一されていくのかも知れません。

吉井良介(菅田将暉)は、町工場に勤めながら「ラーテル」という名前でちょっと荒っぽい転売を行っている転売ヤー。転売に専念するために町工場をやめて、恋人秋子(古川琴音)と湖畔の一軒家で暮らすことにするが、儲けるために一生懸命になっているうちに、吉井はネットで標的になっており、匿名集団によって襲われてしまう。吉井に転売アシスタントとして雇われていた佐野(奥平大兼)が吉井を助け出すために、吉井が捕われている廃工場に向かう・・・というストーリーです。

人の弱みに付け込んで安く仕入れた物を高い価格で売る転売ヤー、ネットで集められた見知らぬ人たちの窃盗集団など、現在の世の中の問題を扱うことで、実際にこういうことも起きうるかもしれないと思わせられるストーリーです。転売業は楽に大儲けできるものではなく、大きなリスクを背負ってやっていることもよくわかって、そういうところも興味深く見ることができました。匿名集団が迫ってくる吉井の恐怖はとてもリアルで、観ているほうも怖くなってきます。捕われたあとは、佐野による吉井救出の銃撃戦が見ものでした。佐野という人物もよくわからない人物で、最後まで信頼していいのかどうか観ている側もハラハラしながら楽しめます。売人からも一目置かれ、銃撃戦の後始末を誰かに依頼する佐野の正体がとても気になりますが、最後までその正体は明かされません。恋人の秋子も、最初は吉井を愛している普通の恋人の感じでしたが、途中から家を出て行ったり、戻ってきたり、廃工場に来たり、不穏な行動が目立ち、秋子にもなんか裏があることがわかります。

何かを訴えたり伝えたりという映画ではなく、とにかくハラハラドキドキ、時には怖く、先が見えないミステリー感など、面白くて楽しめる映画でした。ラストシーンでは、吉井と佐野が地獄に突き進む展開を示唆していますので、続編があるかもしれません。期待したいと思います。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。