2024年7月10日(水)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン1 F-9)
2024年7月5日(金)公開[PG-12] / 上映時間:132分 / 製作:2023年(米=英=伊=サウジアラビア) / 配給:キノフィルムズ
【監督】 マイケル・マン
【キャスト】
 エンツォ・フェラーリ:アダム・ドライバー / ラウラ・フェラーリ:ペネロペ・クルス /
 リナ・ラルディ:シャイリーン・ウッドリー /
 アルフォンソ・デ・ポルターゴ:ガブリエル・レオーネ / リンダ・クリスチャン:サラ・ガドン /
 ピーター・コリンズ:ジャック・オコンネル / ピエロ・タルフィ:パトリック・デンプシー
この映画は告知された時からずっと観たいと思っていた映画です。

自動車メーカー・フェラーリ社の創始者・エンツォ・フェラーリの1957年の出来事を描いた映画で、偉人伝的に業績を映画化したものではありません。1957年というのはエンツォ59歳、会社を興して10年、長男ディーノを亡くして1年、会社も私生活も問題を抱かえる激動の年になります。エンツォは、破産寸前の窮地の会社を立て直すために、イタリア横断レース・ミッレミリア(イタリア語で1000マイルの意味)に賭ける姿、妻・ラウラと愛人・リナとの関係に決着をつける姿が描かれます。エンツォとリナの間に生まれたピエロが現フェラーリ社の副会長です。

2時間以上の時間が早く感じるほど、テンポよく話は進み、ミッレミリアのレースシーンは迫力があって見ごたえ十分でした。フェラーリのレースカーは、オリジナルは高価なので、オリジナルを3Dスキャンして製作したものです。レース会場の風景には一部のフェラーリ、ベンツ、ポルシェなどオリジナルカーを使っていて、それも見どころでした。ミッレミリアでの事故のシーンは、実際の事故現場を再現したと言われる通り、リアルで悲惨な状況をあらわしていました。当時の風景を公道での200kmを超えるスピードでの1000マイル(約1600km)に及ぶレースにも驚きますが、ドライバーを含めた安全面の今との違いにも驚きます。また、栄光のフェラーリ社にもこんな時期があったのだなと何も知らなかった私にとってはとても興味深い内容でした。

レースに賭ける執念、二人の女性との関係など、当時のエンツォ・フェラーリという人物、そしてフェラーリ社の最も激しい時期の生々しい姿を垣間見ることができて、とても楽しめる映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。