2024年6月24日(月)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン9 H-7) |
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2024年6月21日(金)公開 / 上映時間:119分 / 製作:2024年(日本) / 配給:カルチュア・パブリッシャーズ
【監督】 原廣利
【キャスト】
森口泉:杉咲花 / 磯川俊一:萩原利久 / 津村千佳:森田想 / 辺見学:坂東巳之助
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兵藤洋:駿河太郎 / 浅羽弘毅:遠藤雄弥 / 臼澤:和田聰宏 / 津村雅子:藤田朋子
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梶山浩介:豊原功補 / 富樫俊幸:安田顕 |
以前はあまり好きではなかった杉咲花ですが、最近は「市子」「52ヘルツのクジラたち」などを観て気になっている俳優となっています。この映画は杉咲花主演のサスペンスということで、映画館で観てきました。原作は柚木裕子の同名の小説です。私は読んでいませんので、この映画が初めてこの作品に触れることになります。
舞台は愛知県警です。愛知県平井市(架空)で女子大生がストーカーに殺害される事件から始まります。(冒頭の殺人シーンはその事件ではなかったのですが・・・) 地元マスコミは、警察がストーカーの被害届を慰安旅行のために受理しなかった事実をつかみ警察を批判します。慰安旅行だったことを新聞記者の親友・千佳に話してしまった県警広報課の泉は、千佳が約束を破ってそのことを記事にしたと疑うのですが、千佳は「約束を破っていないことを証明する」と言って立ち去った数日後に変死体で発見されます。泉は自分のせいだと自分を責めながら千佳の死の真相を追っていくというストーリーです。
なかなか見ごたえのある重厚なストーリーでした。オウム真理教の地下鉄サリン事件を彷彿させる事件が絡んでおり、全体の治安を守る公安と事件の犯人を追う警察の考え方の違いや確執がテーマとなっています。タイトルの「サクラ」は公安のことを指します。「平和を守るためには邪魔な人間を殺すこともやむを得ない」という考え方が公安の中に本当にあるとは信じたくはないですが、それだけ公安という組織の実態は世の中に見えていないのかも知れません。
安田顕演じる富樫がある時点から、観ている側からの印象がガラッと変わる瞬間があります。それは泉と富樫が対峙するシーンなのですが、杉咲花の思い詰めた迫力ある追求と、安田顕の人間性の変化が凄いと感じさせてくれるシーンで、この映画の一番の見どころでした。そこまでの富樫はとてもいい上司にしか見えなかったのに、見事に騙されたという満足感みたいなものを感じました。一番感動するシーンは、泉が千佳の母親に「千佳が死んだのは自分のせいだ」と打ち明けるところ。この時の杉咲花も情感があふれていて目頭が熱くなってしまいました。泉のことを好きなのにその感情を抑えて泉を助ける磯川、「刑事に向いている」と泉を信頼していく梶山の二人もとても素敵なキャラクターでした。
とても見ごたえがあって引き込まれる映画でした。私はこういう映画は好きです。泉が警察事務職員から警察官になる続編「月下のサクラ」も映画化されれば観てみたいと思います。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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