2024年5月2日(木)鑑賞 DVD |
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2022年12月2日(金)公開 / 上映時間:131分 / 製作:2022年(日本) / 配給:トリプルアップ
【監督】 堀内博志
【キャスト】
内村慶子:佐々木ありさ / 山下真美:加藤小夏 / 泉和夫:水沢林太郎 / 村木拓也:平田雄也
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宮田栄治:遠藤健慎 / 川合未咲:吉村優花 / 金坂誠:東拓海 / 西岡愛菜:菅井知美
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笹野勝:鈴木こうすけ / 矢部昌平:川連廣明 / 牧野信宏:小西貴大 / 井上幸樹:亀田侑樹
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室田健二:那波隆史 / 宮田妙子:小林さやか |
ちょっとマイナー的で知らない映画でしたが、なんとなく興味を持って観てみることにしました。
就職活動中の慶子は、自分に思いを寄せてくれていた同じ大学の青年が自殺したことで、その原因が自分にあるのではと悩んで心を疲れさせています。そんな時、親友の真美の彼氏・拓也がその青年に似ていることで異常とも思える行動で拓也に近づきます。また、コンビニの店員・栄治には、その青年と同じ名字だったことから名前を尋ねたことにより孤独な栄治にとって慶子は気になる存在になります。そんな悩む青年たちを静かに描き、前向きに生きようとするまでを描きます。
構成は三章に別れていて、一章は慶子に起きた出来事と慶子の異常な行動が描かれます。この段階では、慶子という女性は親友を簡単に裏切りずけずけと拓也の劇団に入り込み、なんという女だと思って不快感が増幅していきます。この映画を観るのをやめてしまいたくなるほどでした。しかし、徐々に慶子の心情が見えてきます。拓也を視察した青年に似ていると思っていることがわかり、その青年に対する後悔の念が心の中に広がっていることがわかってきます。
第二章では、コロナ禍で制限をうけた劇団による、若い人たちの心の中を映し出すネット配信舞台劇が描かれて、その最後に慶子の心の中の叫びが噴出します。
そして最後の第三章で、慶子と栄治の接点と、慶子が青年が命を絶った地を訪れるとところが描かれます。そこで友人たちと慶子を追ってそこに来ていた栄治によって、心を取り戻していきます。その光景を見ることで、栄治も前向きに生きるように肩を叩かれたというところで終わります。
慶子の「自殺した私の知らないあなたについて」悩み苦しむ姿、それを少し摩擦を感じながらも暖かく見守る友人たちの姿、孤独に悩む若者の姿が淡々と描かれ、私は面白いと感じた映画でした。涙や感動はありませんが、慶子と言う女性の苦しさはとてもよく伝わってきます。最初は不快感しかなかった異常行動も、その悩みの深さを表しているのだということが最後まで観るとよく理解できます。
しかし、映画としては、慶子の最初の異常行動に対する不快感が強すぎて、そういうメッセージを受け取るには非常に難しくわかりにくい映画なのかもしれないと思いました。私も観終わってから、あれはどういう意味だったのかと考えたりしながら、ああそういう意味なのかも知れないと自分なりに理解した内容がここに記述した感想です。だから映画って面白いということなのかも知れません。私はこういうわかり難いけれども考えればすべてがつながって素敵なメッセージが見えてくる映画は嫌いではありません。むしろ好きです。観て良かったです。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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