2024年3月21日(木)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン9 H-7)
2024年3月1日(金)公開 / 上映時間:136分 / 製作:2023年(日本) / 配給:ギャガ
【監督】 成島出
【キャスト】
 三島貴瑚:杉咲花 / 岡田安吾:志尊淳 / 新名主税:宮沢氷魚 / 牧岡美晴:小野花梨 /
 52・品城愛:桑名桃李 / 村中真帆:金子大地 / 品城琴美:西野七瀬 / 三島由紀:真飛聖 /
 藤江:池谷のぶえ / 岡田典子:余貴美子 / 村中サチエ:倍賞美津子
この映画は気になっていて観に行こうかどうか迷っていた映画です。今日は少し時間があったので観てきました。公開から20日ほど過ぎて日に1回の上映になっていましたが、私の他に8人ほどの観客がありました。この映画はやっぱり観て良かったです。親から暴力を受ける子供たち、自分の性に悩むトランスジェンダー、そういう自分の心の叫びが届かずに孤独な人たちを、仲間と交信できない52ヘルツのクジラと重ねて生きる苦しさや悩みが描かれます。そういう孤独な人たちがその心の叫びの声を受け止めて優しく接することにより、生きる力を得ていくというストーリーです。後半、特に52をキナコが説得するシーンでは、映画館の中にもかかわらずポロポロと大粒の涙が目から溢れてきてしまいました。世の中には、52ヘルツのクジラのように、誰とも心の叫びを交信できずに悩み苦しんでいる人が多いのだと思います。自分の価値観や世間の一般的な価値観にとらわれずに、その人をしっかりと見つめて話を聞いてあげることがスタートなのかもしれません。ところで、杉咲花は表情に裏があるような感じがする役が多いせいかあまり好きな女優ではなかったのですが、この映画では影のあるしっかりとした女性を自然な形で静かに演じていてとても良かったです。杉咲花の印象が変わりました。それと一点だけこの映画で不自然に感じたのは、安吾が貴瑚と並んだ時に体格や背があまりにも大きすぎること。やはり設定からもう少し小柄にした方がリアルかなと思いました。いろいろと考えさせられるとても素晴らしい映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。