2024年3月3日(日)鑑賞 DVD
2017年10月28日(土)公開[R-15] / 上映時間:123分 / 製作:2017年(日本) / 配給:クロックワークス
【監督】 白石和彌
【キャスト】
 北原十和子:蒼井優 / 佐野陣治:阿部サダヲ / 水島真:松坂桃李 / 國枝カヨ:村川絵梨 /
 刑事・酒田:赤堀雅秋 / 野々山美鈴:赤澤ムック / 國枝:中嶋しゅう / 黒崎俊一:竹野内豊
途中までは、昔の男を忘れられずその男に似た男と不倫をする十和子に対して、外面は十和子に奉仕しながら内面に恐ろしいものを持って殺人を含めて何をするのかわからない陣治という感じで進む展開でしたが、実は陣治のその行動は十和子を大切に思う深い愛情だったという、そんな映画です。十和子の秘密にも意外性があり、そうだったのかと思わせる説得性もありました。ただ、観ている自分の感情が高ぶらなかったのは、十和子の行動も陣治の行動も、どちらも自分には共感できなかったからかも知れません。意外だし気持ちはわからないでもない、でも違う、そんな気持ちでした。ラストシーンで陣治がとる行動も、それは究極の愛でもなんでもないだろうと思ってしまいます。そういうすべての行動を、十和子に対する深い愛情だと思えるかどうかが、この映画を受け入れられるポイントだと思います。蒼井優の艶めかしい演技を見るには興味深い映画でしたが、それ以外はちょっと受け入れがたい映画でした。それと、「彼女がその名を知らない鳥たち」というタイトルも最後まで私はしっくりときませんでした。ラストで飛び立つ鳥たちは、これから十和子が愛する名も知らない男を表しているのか、私にはそのくらいしか結び付けることができませんでした。なお、この映画の原作者は、「ユリゴコロ」の原作者でもある沼田まほかるです。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。