2023年12月16日(土)鑑賞 DVD |
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2017年9月9日(土)公開 / 上映時間:129分 / 製作:2017年(日本) / 配給:松竹=日活
【監督】 黒沢清
【キャスト】
加瀬鳴海:長澤まさみ / 加瀬真治:松田龍平 / 桜井:長谷川博己 / 天野:高杉真宙
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立花あきら:恒松祐里 / 明日美:前田敦子 / 丸尾:満島真之介 /
車田刑事:児嶋一哉(アンジャッシュ) / 鈴木社長:光石研 / 牧師:東出昌大
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医者:小泉今日子 / 品川:笹野高史
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長澤まさみ主演ということと宇宙からの侵略者という設定に興味を持って観てみましたが、まったく期待外れでした。宇宙人の地球征服という大きな設定にもかかわらず、内容がこじんまりしすぎていて、フィクションの世界ながらもまったく現実感を持って観ることができませんでした。細かな設定にも矛盾と言うか説得力がなくて、物語に入り込む感じではなく冷めて観ていました。たとえば、あきらに乗り移った宇宙人は、誰にも乗り移らずにあきらの両親を切り刻んで地球人を調査していたところにあきらが帰宅してあきらに乗り移ったという説明でしたが、それならば誰にも乗り移ることなく存在することも可能なはずなのに、その後は乗り移った肉体が傷つくと誰かに乗り移らないといけないという設定になっています。また、地球を守るとか加瀬夫妻を逃がす行動をしていた桜井が、傷ついた天野に対して自分の肉体を提供する心理が理解できませんでした。地球征服行動が開始されたにもかかわらず、二ヶ月後に飛ぶと地球征服活動は中止になったというのも、「愛の概念」を鳴海から得た真治が止めたということなのでしょうが、そんな力がある立場だったのかよくわかりませんでした。概念を奪われた地球人がウィルスに侵されたと称してたくさん病院に来ていましたが、たった三人の宇宙人(真治、天野、あきら)はそんなにたくさんの人間から概念を奪っている時間はなかったはずでそこも疑問でした。警察の動きも中途半端ですし、宇宙人の抵抗勢力としては品川だけというのも非現実的。そういう意味では、最後に桜井を狙った戦闘機は誰の差金なのでしょう。その他にも、あきらがスーパーで加瀬夫妻の車にひき逃げされた時に誰一人警察や救急車を呼ばなかった、地球人の概念を調査しみきているはずなのにあきらはすぐに人を殺す、などなど、疑問点満載でまったく入り込めない映画でした。この物語で言いたかったのは、「愛の概念が人類を救う」ということだけで、それを言いたいがために細かい部分のつじつま(緻密さ)は軽視している感じでした。よくわからない映画でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |