2023年12月4日(月)鑑賞 DVD
2008年4月26日(土)公開 / 上映時間:114分 / 製作:2008年(日本) / 配給:ソニー・ピクチャーズ
【監督】 冨樫森
【キャスト】
 深沢雅仁:竹野内豊 / 深沢慶子:水野美紀 / 深沢英治:広田亮平 / 深沢絵里奈:吉田里琴 /
 ユリコ先生:小池栄子 / 福田正幸:小日向文世 / 倉本尚人:松田昂大 / 倉本繁夫:徳井優 /
 倉本由美:濱田マリ / ショータ:佐野剛基 / ケンヤ:上妻成吾 / 飯村カズナリ:二階天音 /
 後藤リョースケ:影山樹生弥 / 高橋勇雄:品川祐 / 勇雄の父:南方英二 / 風船売り:高見のっぽ /
 笠井玲奈:中嶋朋子
この映画は、構成が工夫されていて、最初は何が起きたのかあまり明確にせずに、徐々に過去や頭の中の出来事を並行させて何が起きたのかを理解させてくれます。なので、最初は登場人物の心の中が読み切れずに、心情を寄り添うことなく観ていました。しかし、だんだんと夫婦と息子の心の中が見えてくると、大きな悲しみが身近に起きた時に、自分ならばどうなるのか、どういう態度をとってしまうのかを考えさせてくれます。息子は悲しみを心に秘めて、妹の代わりをして両親に笑いを取り戻してほしいとする。母は悲しみに暮れるものの、生まれる新たな命のために気持ちを切り替える。そして父はいつまでも自分の責任だと責めて閉じこもり立ち直れないでいる。自分だったらどうなるか、悲しいけれど未来に向かってどう生きるべきなのか、そういうことを考えさせられます。息子のいじらしいほどの気持がわかる妹に宛てた手紙を両親が見つけて読むシーンでは、私は号泣でした。それまでの明るく振舞おうとしていた息子の気持が一気に理解できて、それがより悲しみと健気さを増幅させました。息子と父の思いは大きくずれていて、それが最悪の場合、溝をつくる確執にもなることがあると思います。悲しい出来事が起きた時こそ、自分だけの感情に流されずにそばにいる家族を理解し大切に思うことが必要だなと感じました。とてもいい映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。