2023年11月20日(月)鑑賞 DVD
2017年9月9日(土)公開 / 上映時間:124分 / 製作:2017年(日本) / 配給:東宝=ギャガ
【監督】 是枝裕和
【キャスト】
 重盛朋章:福山雅治 / 三隅高司:役所広司 / 山中咲江:広瀬すず / 摂津大輔:吉田鋼太郎 /
 山中美津江:斉藤由貴 / 川島輝:満島真之介 / 服部亜紀子:松岡依都美 /
 篠原一葵:市川実日子 / 重盛彰久:橋爪功 / 重森結花:蒔田彩珠 / 小野稔亮:井上肇 /
 タクシー運転手:小倉一郎 / 桜井:高橋努 / 三隅の大家:根岸季衣 / 渡辺:品川徹
2時間退屈することなく最後まで引き込まれました。重盛が三隅のことを調べていくにしたがって、ただの殺人犯であった三隅が実はそうではないのではと思い始め、最初は「弁護には真実も被疑者を理解することも不要」と言い放っていた重盛が変化していきます。長い経験からの信念が、この事件に少し入り込んだだけで変化するというのは、少し観ている側からすると戸惑うところもありますが、それだけ三隅の術にはまってしまっていったのかもしれません。三隅は、咲江の辛い証言をさせないようにするために供述を変えて、死刑判決を覚悟する動きをするのですが、それが自分自身を殺すということになるので、タイトルである「三人目の殺人」ということにつながります。死刑判決後の面会では、供述変化の意図をお互い確認しあう会話となっていますが、そこには三隅の優しさと悲しさが表現されていました。人の命を奪っても、自分の命がどうなっても、人の役に立てばそれでいい。そういう人生しか選ばなかった三隅に対して、重盛は「あなたは、ただの器・・・」と悲しく言います。いくら人の役に立つためとはいえ、人の命を奪うことを認めるわけにはいきませんが、そんな悲しい人生を選ぶしかなかった三隅が憐れに感じました。謎解きや推理を楽しむ映画ではなく、世の中の難しいところを見せられたような映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。