2023年11月1日(木)鑑賞 DVD
2022年5月13日(金)公開 / 上映時間:150分 / 製作:2022年(日本) / 配給:ギャガ
【監督】 李相日
【キャスト】
 家内更紗:広瀬すず / 佐伯文:松坂桃李 / 中瀬亮:横浜流星 / 安西佳菜子:趣里 /
 湯村店長:三浦貴大 / 更紗(10歳):白鳥玉季 / 安西梨花:増田光桜 /
 佐伯音葉:内田也哉子 / 阿方:柄本明
切ない映画でした。人には、絶対に知られたくない言いたくないという、心の傷やどうしようも無い思いがあります。それを言えば誤解を招くことも不本意な世間の目も避けられるのかもしれませんが、そんなに簡単に口に出すことはできません。そんな思いを持った二人が、誰も傷つけていないのに世間から理解されずに誤解されて生きていかなくてはいけない。そんな切なさが最初から最後まで感じられて胸が苦しくなってしまいます。正直に「自分を助けてくれた人」だと言えば、そんな不幸はなかったのかもしれませんが、それが言えないのがまた切なく苦しい。この先、二人はそんな世間の目から逃れるようにひっそりと流浪を続けなくてはいけないのかと思うと、絶望に近い思いを感じます。題材がロリコンや性的行為不能ということなので、そういうことに嫌悪感を感じる人は、気持ち悪いという感情が前に出るかもしれません。しかし、この映画はそういう見方ではなくて、この映画を観て私たちにできることは、思い込みや自分の価値観だけで人を見ずにその人の本質を観る努力をすることと、自分が人に放つ言葉の重さを考えることだということを教えてくれます。私もそうですが、人は多かれ少なかれ流浪の部分を持っているのではないでしょうか。そんなことを考えさせてくれる良い意味で心に重く迫ってくる映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。