2023年10月26日(木)鑑賞 DVD
2022年11月23日(水)公開 / 上映時間:116分 / 製作:2022年(日本) / 配給:ワーナー・ブラザース映画
【監督】 廣木隆一
【キャスト】
 田所ルミ子:戸田恵梨香 / 田所清佳:永野芽郁 / 田所哲史(ルミ子の夫):三浦誠己 /
 佐々木仁美(ルミ子の親友):中村ゆり / 田所律子(ルミ子の義妹):山下リオ /
 ルミ子の義母:高畑淳子 / 露木華恵(ルミ子の実母):大地真央 / 神父:吹越満 /
 中谷亨:高橋侃 / 田所清佳(幼少時):落井実結子 / 黒岩克利(律子の恋人):深水元基
準新作のDVDレンタルが安かったので、興味があったこの映画も借りてきました。戸田恵梨香演じる母親の異様さが最初から最後まで重くのしかかる映画でしたが、親の子への愛情の注ぎ方など考えさせられる良い映画だったと思います。娘である永野芽郁の普通さと明るさが救いとなりますが、その娘も異常な母親愛のせいで、大人たちの心を図りながら生きるとか、遊びのない白黒つける性格になってしまっているとか、母親の歪な愛情の影響を受けています。映画は母親の視点、娘の視点で進められて、母親からみた娘、娘からみた母親のズレも描かれます。愛情の形の差に関係なく、そのズレはすべての親子に多かれ少なかれありそうです。子供がいつ親離れして心を自立できるか、子供が親になって自分の子供への愛情を一番に注げるか、当たり前のそういうことがうまく受け継がれる愛情の形が求められますが、この映画を観ていると簡単なことではないのかもしれません。現にそれを普通にできずに悩んでいる人も多そうな気がします。母性は生まれつきあるのか、育っていく上で身に付くものなのか、という問いかけもありましたが、人はもともとの性格もあるし、どう愛情を注がれてきたかで子供への愛情が変るような気もするし、これも白黒付く問題ではなさそうです。また、愛情を注ぎすぎると子供が親に依存してしまい自立の障害になるので、そのあたりのバランスもよく考える必要がありそうです。清佳が自殺を図るまで名前を呼ばれるシーンがなかったというのも、そんなおかしな親娘関係の象徴として描かれているのかなと思いました。次に親となる清佳の子育てがどうなるのか、余韻を残してのエンドでした。私は父親ですがあまり良い父親ではなかったので、自分を振り返りながら親子の愛情の形について考えさせられました。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。