2023年10月23日(月)鑑賞 DVD |
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2017年10月7日(土)公開 / 上映時間:140分 / 製作:2017年(日本) / 配給:東宝=アスミック・エース
【監督】 行定勲
【キャスト】
葉山貴司:松本潤 / 工藤泉:有村架純 / 小野怜二:坂口健太郎 / 山田志緒:大西礼芳
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黒川博文:古舘佑太郎 / 塚本柚子:神岡実希 / 金田伊織:駒木根隆介 /
新堂慶:金子大地 / 葉山美雪:市川実日子 / 宮沢慶太:瀬戸康史 |
この映画は、「ナラタージュ」というタイトル通り、泉の過去の回想という形で、高校時代、大学時代を語る形になっています。事前にたまたま見たこの映画の評価では、登場人物が全員キモイというのが多かったように思いましたが、この登場人物たちが本当の弱い生身の人間の感情なのかなという思いがしました。特に葉山と泉は、妻との関係やイジメなどで誰にも相談したり逃げたりできない苦しい状況の中で、双方が心の拠り所であり救いとなったわけで、それが愛情なのかどうかは別としても、お互いに惹かれる思いはとても理解できました。泉が葉山を思いながらも、妻を思う葉山の前では自分の居場所は無いという中で、優しい小野に自分の心を託そうとした気持ちもよくわかります。小野の泉に対する嫉妬や束縛は、私も含めて普通の男はこんなものだろうと思いますし、和泉を引き止めたいがための酷い言葉は、そうしなければ自分の心が壊れると思うだろうからだし、最終的には泉の行動を認めてしまう優しい人物なのだと思いました。私ならばもっと嫉妬しもっと悪態をつき力づくでも行かせなくしたかもしれないと思います。この映画の登場人物がキモイを感じる人は、私は幸せで心が健康な人なのかなと思いました。そうではない人にはなんとなく共感できるところもあるのではないかと思います。人間というものは、心がそんなに強くは無いのだ、行動に矛盾はあるし葛藤もある、そういうものなんだと思います。みんな優しいいい人物でした。最後は、"現在の"泉と慶太がうまくいくといいなと思わせてくれるいい終わり方でした。私にとっては、それぞれの心の中の「相手を激しく思う感情」、「それを諦め抑えようとする感情」、「その間の揺れ」がとてもよく伝わるいい映画でした。なお、葉山と泉が「どうする家康」の家康と瀬名だったと気づいたのは観たあとでした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |