2023年10月16日(月)鑑賞 DVD |
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2016年12月17日(土)公開 / 上映時間:111分 / 製作:2016年(日本) / 配給:東宝
【監督】 三木孝浩
【キャスト】
南山高寿:福士蒼汰 / 福寿愛美:小松菜奈 / 上山正一:東出昌大 / 南山たかもり:大鷹明良
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南山えいこ:宮崎美子 / 林:山田裕貴 / 福寿愛美:清原果耶 / たこやき店の主人:野間口徹 |
この映画の設定は、日単位の時間の流れが逆の世界のふたりが5年ごとに出会うことができるという珍しい設定で、単なる時の流れを戻るとか飛ぶとかいう単純なものではないところがとても新鮮で面白かったです。そういう設定だからこそ、一方の思いや悩みが実はもう一方も同じなのだという相手を思い合える感動や、30日間だけの恋人関係の切なさにつながっています。ただ、それぞれの立場での時間軸での感じ方や思いを想像することが案外難しいために、観る側としてはそれぞれの運命や苦しみに思いを馳せることができにくいという難点もありそうです。それによってこの映画を面白く感動的に受け止められるかどうかの違いになってくるように感じました。個人的には、二人が出会う接点がそれぞれの時間の流れの中のどこで生じたのかを理解できないといけないと思いました。最後のシーンであったように、高寿が高校生の愛美に、愛美の5年後(高寿の5年前)に書いた愛美の絵を見せて5年後に会いに来るように言ったところから始まったと考えれば納得できます。愛美は幼いころから時間が逆の世界の存在を知っていたので、そういう話を高寿から聞かされても素直に受け入れることができたのだと思えます。そして、それぞれの5歳の時に35歳の相手に命を助けられたというところが原点となっているわけです。要はそういう複雑で緻密な設定と背景があるからこそ、高寿の自分の苦しみが実は相手の愛美も同じなのだと気づき、それが感動と成就しない愛の切なさと悲しみへつながっていくわけで、私にはとてもよく考えられた映画で、私好みのとても素敵な映画でした。相手の立場で物事を考えてみることが大事だという当たり前のことを、極端な設定でわかりやすく教えてくれました。小松菜奈は切れ長の目で冷たく怖い感じがする女優さんでしたが、この映画の小松菜奈はとても優しくて賢くて可愛い女性を感じさせてくれてとても良かったです。舞台も叡電を中心とした京都でしたし、内容すべてとても良い映画でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |