2023年9月26日(火)鑑賞 DVD
2020年8月28日(金)公開 / 上映時間:119分 / 製作:2020年(日本) / 配給:東宝
【監督】 狩山俊輔
【キャスト】
 田端楓:吉沢亮 / 秋好寿乃:杉咲花 / 前川董介:岡山天音 / 本田朝美:松本穂香 /
 天野巧:清水尋也 / 西山瑞希:森七菜 / 川原理沙:茅島みずき / 大橋:光石研 /
 脇坂:柄本佑
私のブログやホームページのタイトルが「いつまでも青く、枯れても青く」としているのは、自分が青臭い考えを持っているからということと、それが悪いことではないと思っているからです。「青くて痛くて脆い」というこの映画のタイトルは、どこかでそういう自分の考え方と交わるところがあるかもと思ったので観てみました。感動したり、笑ったり、手に汗握るという面白さはありませんでしたが、いろいろと考えさせられるところがありました。田端という人間は私自身と重なるところもあり、ひょっとしたら同じような狂気があるかもしれません。人とどうかかわっていくのかということや、理想の考え方をどこまで青臭く持って生きられるかということや、人からの裏切りのような行動に傷ついたり、私も同じようなことを経験してきたようなことなので、けっこう真剣に考えさせられました。田端が脇坂に、「秋好にその場しのぎの間に合わせに使われて、いらなくなったら切り捨てられた」と伝えた時に、脇坂が「人って誰でも間に合わせに使いながら生きているんじゃないかな。友達とか恋人とか・・。ひとりぼっちの時はひとりぼっちの人と、つらい時には誰かにそばにいてほしいとか。それに、間に合わせだったとしてもその時は必要だと思われたのであって、それで十分だと考えないと。」と答えるのですが、人付き合いで自分をさらけ出せず、余計なことを言ったりして距離を置かれたことの多い私は、目から鱗状態で納得してしまいました。ラストシーンの、自分のなりたい自分になることを決意した田端が、街で見かけた秋好に「拒絶されても、距離を置かれても、無視されても・・・」と秋好に声をかけるシーンは理想ですが、私はこの年令になっても、理想の自分になりきれず、その境地にはまだたどり着いていないと痛感しました。私自身がまだまだ「青くて痛くて脆い」人間です。そういうことを改めて感じさせてくれるということでは、とても良い映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。