2007年5月19日(土)鑑賞 TV放送 |
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2006年1月21日(土)公開 / 上映時間:117分 / 製作:2005年(日本) / 配給:アスミック・エース=「博士の愛した数式」製作委員会
【監督】 小泉堯史
【キャスト】
博士:寺尾聰 / 杏子:深津絵里 / ルート:齋藤隆成 / ルート(先生):吉岡秀隆
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未亡人:浅丘ルリ子 / 井川比佐志 / 頭師佳孝 / 伊藤紘 / 茅島成美 / 観世銕之丞
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松田弘之 / 大倉源次郎 / 亀井広忠 / 清水寛二 / 西村高夫 / 岡田麗史 / 馬野正基
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長山桂三 / 谷本健吾 / 安藤貴康 |
昨夜のテレビ放映ではじめてこの作品に触れました。この映画は、博士(寺尾聡)と家政婦(深津絵里)とその息子の暖かな気持ちが感動を与えてくれて、優しい気持ちになることができます。博士の記憶が80分で消えるという悲しさは、悲劇的ではなく日常の出来事でほろ苦く切なく表現されています。「君の靴のサイズはいくつかね?」「君には子供がいるのかね?」の繰り返しが面白くも実はとても悲しい。数字でしかコミュニケーションをとれない不器用な博士ですが、その話は小難しい話ではなく楽しく数字に引き込んでくれる優しい話ばかり。数字の話が人生の話に感じたり、壮大な宇宙の話にも聞こえたりします。全体が暖かい心で流れるがゆえにその奥にある悲しさが余計に心に滲みて目が潤んできてしまいました。そんな中でのオイラーの等式は、この映画では特別な意味を持っています。博士が一番愛する式であるとともに、過去の辛い思いを表す式になっています。eのπi乗は-1。この-1は博士と博士が愛したNが背負った悲しい数字でもあるのです。数字や数式が一切の迷いなく凛としているように、この映画自体も凛とした気持ちよさと優しさが感じられるとてもよい映画だと思います。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |